「安心」が学びの出発点に
教室に入ると、壁いっぱいに飾られた生徒の作品や写真、明るい芝生の庭が目に入ります。
そこには、子どもたちが「自分のペースで過ごすこと」を大切にできる空気が流れていました。
基礎学力の定着をサポートする「静かタイム」や、自由に過ごす「フリータイム」、
そして味噌汁づくりなどの体験活動を通して、人との関わり方や社会性を育てる取り組みが日常的に行われています。
この日も、スタッフの方々が穏やかに声を掛け合う姿や、生徒同士の笑顔が印象的でした。
すてっぷが掲げる「児童生徒がすてっぷを創っていく」という言葉の通り、
子どもたちの自主性が自然に息づく場所だと感じます。
中学生の進路、通学支援、そして地域との連携
今回の相談会には2名の参加者が来場。
テーマは主に中学生の学習状況と中学卒業後の進路について。
通信制高校や定時制、専門校など、実際の進学先の選択肢や体験談を共有しながら、現実的な課題にも踏み込みました。
特に盛り上がったのは、通学補助制度に関する話題です。
自治体ごとに補助内容や申請方法が異なるため、「制度を知らないことで選択肢を狭めてしまう家庭もある」との意見もありました。
支援制度の情報共有が、子どもたちの「次の一歩」を後押しする大切な鍵になる——そんな実感を得られる時間となりました。
「人と人との関わり」から生まれる学び
すてっぷでは、日々の学びだけでなく、体験や交流を通じて“人間力”を育てることも大切にしています。
異年齢の子どもたちが同じ空間で過ごし、自然に支え合う姿は、まさに“共に育つ”学びの形。
スタッフの方が「どんな空間になるかは子どもたち次第」と話していたのが印象的でした。
おわりに
相談会を終えて感じたのは、すてっぷが“学校でも家庭でもない第三の居場所”として、
子どもも保護者も安心して立ち寄れる場所であるということ。
穏やかな空気と笑顔が交わる空間に、「一人じゃない」という確かなぬくもりがありました。
つなかんでは、こうした地域に根ざした支援現場の魅力を伝えながら、
保護者や支援者、教育関係者がゆるやかにつながる機会をこれからも広げていきます。



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