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フリースクールの認定制度って?鳥取県独自の支援制度を知ろう!

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アミン

2025年9月22日

「フリースクールの認定制度とは何?」「鳥取県のフリースクール認定制度の特徴は?」などと悩んでいませんか?

フリースクールの認定制度とは、民間教育機関であるフリースクールの質を保証し、利用者への支援を充実させる公的な制度です。鳥取県では全国に先駆けた独自の認定制度を導入し、補助金支給や連携推進など手厚い支援体制を整えています。

本記事ではフリースクール認定制度について基本から全国の動向、鳥取県の特色ある制度内容、認定による変化、具体的な支援・補助の仕組みまで詳しく解説します。認定制度を正しく理解することで、お子様に最適な学びの場を選択でき、利用可能な支援制度も把握できるでしょう。


目次

    フリースクールの認定制度 とは

    フリースクールの認定制度について以下の4項目をもとに解説します。

    • 制度の概要と目的
    • 対象となる施設と基準
    • 認定制度の現状と課題
    • 認定されたフリースク―ルと認定外の違い

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    制度の概要と目的 

    フリースクールの認定制度とは、不登校の児童生徒への教育支援を行う民間施設の質を保証し、公的支援を行う制度です。文部科学省が1992年から開始した出席認定制度を基盤とし、各自治体が独自の認定基準や支援体制を構築しています。

    認定制度の主な目的は、フリースクールの教育活動の質の向上、利用者への経済的負担軽減、社会的認知度の向上です。認定を受けた施設は公的に信頼されるとともに、保護者や子どもたちが安心して利用できる学習環境を提供できます。

    対象となる施設と基準 

    フリースクールの認定対象は、不登校児童生徒の学習活動や教育相談を継続的に実施する民間施設です。運営主体はNPO法人、一般社団法人、株式会社など法人格を有する団体に限定され、個人運営の施設は対象外となっています。

    認定基準には『施設の安全性確保』『適切な指導者の配置』『年間活動計画の策定』『保護者との連携体制の構築』が含まれます。常勤職員2名以上配置、年間120日以上開設、児童生徒5名以上受け入れなどの具体的な要件が設定されているのです。

    認定制度の現状と課題 

    全国のフリースクールの認定制度は長野県が先駆けとなり、現在は複数の自治体で独自制度が運用されています。しかし、認定を受けているフリースクールは全体の一部に留まり、多くの施設が認定外での運営を継続している状況です。

    主な課題として認定基準の厳格さによる申請困難、認定に伴う事務負担増加、運営費確保の難しさが挙げられます。特に小規模なフリースクールでは常勤職員の確保や年間開設日数の達成が困難で、認定申請を断念するケースが多く見られます。

    認定されたフリースクールと認定外の違い

    認定されたフリースクールと認定外施設の最大の違いは『公的支援の有無』と『社会的信頼性の差』です。認定施設は自治体からの補助金交付、職員研修機会提供、関係機関との連携支援を受けられますが、認定外施設は各施設の財源での運営が必要となります。

    認定外施設でも質の高い教育活動を提供している場合は多く存在しますが、公的な質保証がないため保護者の判断材料が限られてしまうでしょう。認定施設では、定期的な運営状況報告や第三者評価の実施により、透明性の高い運営が行われ、利用者が安心できる環境となっています。


    フリースクール認定制度の全国の動向と鳥取県のモデル 

    フリースクールの認定制度は自治体によって異なります。ここでは、『全国の主要な認定制度の比較』と『鳥取県独自の認定制度』『自治体ごとの補助制度の違い』をもとに地域ごとの違いを紹介します。

    全国の主要な認定制度の比較 

    全国のフリースクール認定制度は、長野県が2024年に開始した「信州型フリースクール認証制度」を皮切りに、各自治体で独自の制度設計が進んでいます。長野県では認証区分をA・Bの2段階に分け、施設規模や運営体制に応じた柔軟な認証基準を採用しているのが特徴です。

    東京都では2019年からフリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業を開始し、施設の実態把握と支援策検討を行っています。神奈川県や愛知県でも同様の調査研究事業を通じて、認定制度導入の検討が進められているのが現状です。

    各自治体の制度には共通で施設の安全性確保、指導者の適格性、教育プログラムの充実度評価が含まれます。一方で認定期間や更新手続き、支援内容については自治体ごとに異なり、地域のニーズに応じた多様な制度運用が行われています。

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    鳥取県独自の認定制度の特徴 

    鳥取県のフリースクール連携推進事業として、全国初の包括的支援制度として2014年に開始された施設認定と利用者支援を一体化した画期的な取り組みがあります。認定基準には、施設の教育プログラムの充実度に加えて、市町村教育委員会や学校との連携体制構築を重視されています。

    月1回以上の在籍校との情報共有や保護者面談の定期実施、個別支援計画の作成が必須要件となっており、子どもたちの社会復帰支援を重視した運営が求められました。県独自の特色として通所交通費補助制度があり、認定フリースクール利用者への経済的負担軽減を図っています。

    利用料補助と合わせて月額最大3万円まで支援が可能で、家庭の経済状況に関わらずフリースクールを利用できるのも特徴です。認定施設には県教育委員会による定期的な運営相談や職員研修機会提供があり、教育の質向上と持続的な運営支援を実現しています。

    自治体ごとの補助制度の違い 

    フリースクール利用者への補助制度は自治体ごとに大きな違いがあります。鳥取県では県と市町村が連携した二重支援体制により、利用料と通所費の両方を補助する、全国でも先進的な制度となっています。

    長野県では、認証フリースクール利用者に対して月額最大2万円の利用料補助を実施し、経済的負担軽減を図っているのが特徴です。一方、神奈川県横浜市では通所交通費のみの補助に留まり、利用料補助は実施していません。

    補助対象の所得制限についても自治体間で大きな差があり、鳥取市では所得制限を設けず全世帯を対象としていますが、他の多くの自治体では住民税非課税世帯や準要保護世帯に限定しています。申請手続きの簡素化についても取り組み状況に差があり、オンライン申請や簡易書類での対応を行う自治体は限られているのが現状です。

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    鳥取県のフリースクールを紹介

    鳥取県内には現在10か所の認定フリースクールが設置され、県教育委員会が定めたガイドラインに基づいて運営されています。認定を受けた施設では出席認定手続きがスムーズに進み、県からの補助金交付や市町村との連携支援を受けることが可能です。

    各施設で不登校児童生徒の個性や学習ニーズに応じた多様なプログラムを提供し、学校復帰や社会的自立に向けた支援を実施しています。ここでは、5か所の認定フリースクールを紹介します。

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    鳥取市内の施設では自然体験活動や個別学習支援に力を入れ、米子市や大山町の施設では居場所づくりと心理的サポートを重視した支援を行っているのが特徴です。利用料や支援内容は施設によって異なりますが、県と市町村の補助制度により、利用者の経済的負担は大幅に軽減され、安心して利用できる環境が整備されています。


    まとめ

    フリースクールの認定制度は不登校の児童生徒への教育支援の質を保証し、利用者の負担を軽減するための重要な取り組みです。鳥取県では全国に先駆けた独自の認定制度を導入し、県と市町村が連携した手厚い支援体制を構築しています。

    認定を受けた施設では出席認定手続きがスムーズに進むほか、月額最大3万円の補助金支給により家庭の経済負担が大幅に軽減されるでしょう。県内には多様な特色を持つ認定フリースクールが設置され、子どもたちの個性やニーズに応じた教育プログラムが用意されています。

    フリースクールの利用を検討される際は、各施設の教育方針や支援内容を十分に比較検討し、お子様に最適な学習環境を選択することが重要です。認定制度の詳細や補助金申請手続きについては県教育委員会や市町村窓口でも相談可能ですので、ぜひ本記事を参考にしつつ、検討してください。


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    アミン

    好物:甘いもの

    兼業としてwebライターをしています。建築や健康、IT転職、法律など様々な分野で執筆しています。
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